約 2,546,368 件
https://w.atwiki.jp/umi413/pages/16.html
雛夜住人で雛夜語録、図鑑、つまり辞典のようなものをつくってみましょう(・3・) 【愛の告白】 部活罰ゲームのひとつ。 個人で指定された人数に告白だったり、公開で大文字強調だったりと幅広い 激甘の魔術師が生まれたことの原因。 【苺】 夏の大好物。出せばツンデレな反応を返す割には釣れる。 同義として、ぽんたにメロンパン(後述)、RAIに葡萄 などがある。 【馬星】 うまぼし。 誤字王国の珍味。ぽんたの好物。味は梅干に限りなく似ている。 梅干との違いは種まで食べられるところ。 海外では「ウマホシ(Horse Star)」という名で売られている。 もちろん梅干の誤字。 (byタカ)(あまりにも素晴らしいので登録しました) 【おやしろなさい】 おやすみなさいの代わりに使う。 言われた後に歩くと足音が一歩増えている…なんてことはない。 【かなでれ】 彼方が室長をできるようになったとき すごく嬉しそうだったため夏が名づけた。 ちなみに彼方の素はクーデレ(クール、たまにデレる)である。 【かりもふ】 ひなよるもんすたぁから生まれた言葉。 めろんぱんを食べているぽんたがいきなりいう言葉はこれである。 効果音にも使われる。 【激甘の魔術師】 黒猫(詳しくは常連紹介参照)の二つ名。 持ちキャラが圭一ということもあり、 口先の魔術師を改造して激甘の魔術師と命名された。 彼が愛の告白の×を受けたときは少し覚悟をしておくべきだ。 (ついでに私は慣れました(・3・) by夏(ぁ)) 【誤字姫】 雛夜の誤字姫はぽんたである。 【誤字姫万歳】 ぽんた公認(?)誤字姫ファンサイト。 創世が運営・タカが執筆をしている。 http //warrockgj.rakurakuhp.net/ 【誤字のぽんた伝説】 恋のミクル伝説の替え歌。 誤字洗脳ソング。作詞はタカ。 【誤爆】 個人会話を間違って公開でしてしまったことをこう言う。 別に支障のないものでもあればとても危ないものまで幅広い。 誰かが誤爆したときは暖かい目で見守ってやるべき。 【芝王】 芝世界の王。 =くー 【芝餓鬼】 芝世界の餓鬼んちょ。 =ぽんた 【芝神】 芝世界の神。 =夏 【芝姫】 芝世界の姫。 =まろこ 【ツッコミ王子】 ぽんたが作り出した言葉。 初代が秋、二代目が彼方。 【なつんでれ】 夏がつんでれなことをこういう。 誰がうまいこといえと(ry 【ひなよるもんすたぁ】 萌えっ娘もんすたぁの雛夜版。 夏が面白がって製作。どう考えても未完成。 【ひなめいと】 アニメイトの雛夜版。ここでしか買えない貴重なものがたくさん。 どんな商品があるかはあなたの想像にお任せします。 【ふかふかにしてあげる♪】 みくみくにしてあげる♪の替え歌。 芝洗脳ソング。 【めろんぱん】 ぽんたの大好物。出せばぽんたが釣れる。 【めろんぽん】 めろんぱんとぽんたをあわせてめろんぽん。 めろんぱんが大好きなぽんたのことを主にこのように言う。
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/1428.html
萌えもんNO.73 ドククラゲ。 俺の手持ちにもドククラゲがいる。 でも、ドククラゲは名前の通り、毒がある。 だから、ドククラゲやメノクラゲなどを持つトレーナーは結構気を付けなければいけない。 そのため、俺はドククラゲと居るときは触手があたらないように注意している。 そういや、水着の人達ってどうやって回避してるんだろうか。物凄く不思議だ。 ……まあ、その話は置いといて、だ。 今現在、ドククラゲと睨み合って互いに隙を窺っている。 俺の手にはドククラゲのボール。あっちは今にも飛びかかって──いや、抱きつこうとしている。 「いいか、落ちつけ。そしてそこに座れ」 「マスターこそ、そのボールをしまってじっとしてて下さい!」 こんなやり取りがもう数十分になる。 お前、草むらのド真ん中でナニするんだよ。 視界の隅では他の皆がこっちを見て呆れたり、笑ったりしている。 ……って、お前ら何で草むらの外にいるんだよ。何、傍観者になってんだよ。 「……なあ、いい加減やめない? この茶番」 「茶番!? 今、茶番って言いましたね! これは私にとって死活問題なんですっ!」 「どこがどーなって、死活問題なんだよ。三十文字以内で説明しろ」 「毎日一回はマスターに抱きつかないと禁断症状が……」 「残念、二文字オーバーだ。よって諦めろ。それ以前に抱きつく以外もするだろ!」 「だって、何処ぞの女狐が──」 「このパーティーで女狐って言ったらキュウコンになるからな?」 「その通りですっ! この前マスターに膝ま──」 その時、俺達二人の間に炎が横切った。 火炎放射だ。このタイミングで火炎放射を放つ奴なんて一人しかいない。 二人揃って、それが飛んできた方向を見ると。そこには── 物凄い笑顔のキュウコンがいた。 「…………ねぇ?」 「「すいませんでしたぁぁぁぁああああ!!」」 二人でジャンピング土下座。 プライド? なにそれ、食えんの? だって、今のキュウコンに何か言ったらそれこそ葬式とかの過程をすっ飛ばして火葬されるし。 キュウコンは、フンッと鼻を鳴らしてボールの中に入っていった。 「ふぃ~、怖かった~」 「お前が余計なこと言うから……」 「だったら、私にも膝枕をしてください~」 「………………え?」 「何ですかその『冗談もその辺にしろよ』みたいな反応」 「あ、うん、また今度。何時かきっと」 「分かりました、五日後にしてくれるんですね」 「もうヤダ、このドククラゲ」 何を間違えてこうなったのか。不思議だ。 他のドククラゲもこうなの? ねぇ? 懐いてくれるのは、まぁ……嬉しいけどさ。見た目美少女だし。でも限度を分かってないというか、愛情表現の仕方が激しいというか…… そういや、何でコイツはキュウコンに膝枕したの知ってるんだ? ボールに入ってたはずなのに。 「フッ、隙ありぃぃぃ!!」 「ハッ、しまったぁぁぁぁ…………ぐふっ」 ドククラゲの触手が脇腹に命中。 うわぁ、身体が痺れて動けない。意識も遠のいてきた。 意識が無くなる前、最後に見たのは息を切らして、危ない笑顔で向かってくるドククラゲだった。 おい、草むらの外にいる娘達。誰か止めろよ、キミ達のマスターがピンチだぜ。 ──── ………目が覚めた。 そして、一言── 「知らない天井d──」 「マスター! やっと起きたんですか! 一時間二十三分と四十五秒も待ったんですよっ!」 「…………せめて最後まで言わせろよ」 名言が、名言がぁぁぁぁぁぁぁぁ……… ……ま、今そのことは置いといて。 本当に知らない天井だ。気絶する前は外だった訳だし、何処かに運んだんだろうか。 てか、身体のあちこちが痛い。攻撃を喰らった脇腹以外で、何か痛い。 「なあ、ここ何処だ?」 「あ、えっと。ここは近くにあった萌えもんセンターですよ」 「ふーん、運んできてくれたの?」 「はい、途中で三回程落しましたけど」 「おいこら、ちょっと待て。何落してんだよ」 お ま え の せ い か ! もうちょっと優しくできんのか、仮にも俺は主だぞ? ご主人様だぞ? 「まずはそっちが優しくなってください。特にベッドの上で!」 「心を勝手に読むな。それと最後のは却下だ、そもそも何もしてないからな?」 俺の手持ちは全員心が読めるの? ドククラゲってエスパーじゃないよ、むしろエスパーには不利だから。 「キュウコンさんにはあんなに優しかったのに……、ハッ! まさかもう既にキュウコンさんとデキて──」 「アホか! 何言ってんだお前は!」 「じゃあ、誰とデキてるんですか!?」 「誰ともデキてない!」 「だったら今直ぐパンツを脱いでください!」 「何でそうなる!」 「確認するんです! まだ誰ともデキてないかどうかをっ!」 「そんなのしなく──ッ!」 ドククラゲは俺が脱がないと分かると、自分の服を肌蹴させた。 み、見てないよ? 二つの柔らかい脂肪の塊なんて。 「しなくてもいいから、取りあえず服を元に戻してそこからどけ!」 「や、やっぱり、胸なんですか!? 大きい胸が良いんですか!?」 「だから何でそうなる!」 「だって、だって……私の胸を見てもまったく反応してないじゃないですかっ!」 「おまっ……年頃の乙女が何処に視線を向けてんだよ」 「うぅ……」 そこまで言うと、ドククラゲは部屋の隅で、体育座りになって泣きだした。 えー、もう。面倒くさい…… 「あー、その、なんだ。俺は別に胸の大小じゃ……………………なくてだな。単に、お前が何時もそうやってくるから慣れただけであって……」 「……なんですか、今の物凄い間は」 「……な、何でもない」 え、ほら、俺も男だし。分かるだろ? 俺は別にロリコンではないし、一般の思春期の男子なわけで…… やっぱり、さ……うん、これ以上は言わん。 で、今現在部屋の隅でメソメソと泣いているドククラゲをどうするか…… 「まあ……また今度埋め合わせするから、さ。今の所は泣きやんでくれ」 「うぅ……シクシク」 なんてこった、ドククラゲが俺からの誘いに乗らないなんて…… 何時もなら飛びついてくるのに。 「ほ、ほら。取りあえず今は泣きやんで──」 「───くら……」 「え?」 「膝枕……してください。キュウコンさんだけ特別なんて嫌です……」 ぷぅ、っとまだ涙の痕が付いている頬を膨らませてこっちを見る。 だから何で俺がする側なのか、普通男がされる側だよね? ねぇ? 「えっと、俺がドククラゲに?」 「はい」 「ドククラゲが、俺にじゃなくて?」 「それじゃあ意味ないじゃないですか」 「………ハァ」 溜息を吐くと、ベッドの上に胡座をかく。 一瞬でドククラゲの頭が膝の上に来たけど、あんまり気にしないことにする。 しかしまあ、何で俺がする側なのか。されたことはないってのに。 べ、別に膝枕されたいって訳じゃないんだからねっ! と、頭の中で叫んでいるとドククラゲから声をかけてきた。 「あの……」 「ん?」 「ありがとうございます」 「……どういたしまして」 何て返せばいいのか分からないのと、単純な照れからぶっきらぼうに返してしまった。 やっぱり、こういうのって男はされる側だと思うんだ。 でもまあ、手持ちとの交流と思えばいいか。……ん? いいのか? 「あ」 「今度はどうした」 「さっき、埋め合わせするからって言ってましたよね」 「…………い、言ったか? そんなこと」 「はい、言いました。と、いうことで──」 「待て待て待て、何がと、いうことでだ! 何する気だ、服を脱がすな!」 「ふふっ、マスターったら。何をって、ナニをするに決まってるじゃないですかぁ」 「待て、そう落ちつけ。素数を数えろ──ってお前も脱ぐなっ!」 「埋め合わせ、しましょうよ。これで既成事実を作って………あっと、シュミレーションしてたら鼻血が」 俺はその後、萌えもんセンターから逃走を図った。
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/592.html
「なんだ御主人、まだ寝ていないのか?」 「…プテラか。俺だって、たまには眠気が来ない夜もあるんだよ。お前は?」 「昼間寝過ぎたようで。我も眠れないのだ」 「そっか。…なんか飲むか?少しならつまむものもあるけど」 「ああ、水でもあると嬉しい」 コップに入った水を渡してやると、プテラは羽根のついた腕で受け取って口に含んだ。 「…眠れない夜って、長いよな」 「そうだな。だが、二人いれば時間もつぶせるだろう。…何でもいいから、話をしてくれないか」 「何でもいいって言われても困るな。…何が聞きたい?」 二人でミニテーブルをはさんで向き合って、スナック菓子を肴に水を飲む。静かでちょっと奇妙な空間。 「そうだな、我はグレンからの御主人しか知らないからな…それまでの旅の話も聞きたいし… 手始めにシャワーズとの慣れ染めでも…」 「別にいいけど、なんでシャワーズ?」 「マスターの事を一番好いているというか、何かありそうだと思ったからだ」 「成程な。…俺がアイツと会ったのは、タマムシシティだったな…」 * * * タマムシ、ゲームコーナー前。一人のイーブイが、さびれた路地を駆けていた。 そして、それを追う複数の足音。黒衣の集団…と言うほどかっこよくも無いが、とりあえず黒い服を着た男たちが少女(人じゃないけど)を追う。 「捕まえたぞ、こいつめ!」 「やっとか…やれやれ、手間をかけさせやがる」 「あ、ぁ…」 震えるイーブイを囲み、5人のロケット団員がうすら笑いを浮かべている。 「さて、反抗的な奴にはお仕置きをしないとな…」 「い、嫌…誰か、助けて…」 「こんなところに誰も来るものか、諦めな!」 「待てっ!」 ロケット団の背中に、声が降りかかった。路地の入口に、誰かが立っている。 「純なる萌えもんの体を操り、自らの欲望を達しようとするは悲し…人それを『エゴ』という」 「だ、誰だお前はっ!?」 「…?」 朝の光が、路地の人陰の背から降り注ぐ。逆光で彼の顔は見えないが、怒りに満ちた気配が存在感を放っている。 「キサマらに名乗る名はないっ!」 一人の少年と、一人のフシギソウ。フシギソウが少年の上に乗ってポーズを決めている。 「ほら御主人さま、パイル・フォーメーションやらなきゃ!」 「おう、天よ地よ、火よ水よ…ってどこまでやらせるんだお前はっ!?」 「だって、最後までやらなきゃバイカンフーになれないよ!?」 「最後までやってもなれねーよ、てかなりたくねぇよ、恥ずかしい!」 「じゃあピカチュウにサンダーボルトスクリューを…」 「もういいから!俺それをやる為にわざわざコイツら追いかけてた訳じゃねぇから!」 呆気に取られたロケット団とイーブイを無視して、コントのような会話を続けるフシギソウとそのマスター。 「畜生、ノリでこいつに付き合うんじゃなかったぜ…久々に嫌な黒服を見たから潰そうと思ったのに」 「ええい、何なんだお前はっ!?」 「知るかっ!とりあえず俺は『お前ら』が死ぬほど嫌いなんだ、ここでまとめて叩き潰してやるっ!」 …この少年、ロケット団に勝るとも劣らぬ滅茶苦茶っぷりである。 「生意気な口を聞いてくれる!お前ら、先にコイツから片付けろ!」 「ロコン、ピカチュウ!雑魚は任せる!フシギソウ、俺達で中央を叩くぞ!」 ロケット団が手持ち萌えもんを展開するのと、少年が腰のボールを投擲するのは同時。 狭い路地で、理不尽極まりない戦いが始まった。 * * * 「…というのが、私とマスターが初めて会った時の事でして…」 「どこからどうツっこめばいいのか迷うね」 マスターの部屋の隣。シャワーズとフーディンが隣り合ったベッドに横になりながら、話していた。 「それはまぁ、初めて会った時は『危ない人だなぁ』とは思いましたけれど…今考えればそれも魅力の一つですし。 普段はかっこいいのに放っておけないような気がして、かわいらしいじゃないですか?」 (…あばたも笑窪…いや、実際考えてみるとあの危なさは確かに…) 考え込むフーディンを余所に、シャワーズの話は続く。 「…御主人、フシギバナはいつの生まれだ?」 「さあ?少なくともあの世代には生まれて無い事は確かだ」 「どこで仕入れたのだろうな、その知識は」 「分からん」 * * * 路地に倒れる人間5人と萌えもん多数。ピカチュウとロコンをねぎらい、ボールに戻した少年は、 とりあえず倒れている奴らを縛りあげて確保した。ボールにそいつらの手持ちを戻しておく。 …萌えもんに罪はないかもしれないが、まぁ運がなかったと思ってもらおう。 警察に引き渡せば普通に更生できるだろうし。 「…ふぅ、とりあえずサックリ片付いたな」 「御主人さま、何気に一人でロケット団全員投げ飛ばしちゃうんだもんね」 「あ、あの…」 イーブイの声に、少年とフシギソウが気づいた。 「忘れてた…だいじょうぶ?もう安全だよ?」 「はい。助けていただいて、ありがとうございました」 「か…勘違いすんな、別にお前のためじゃないんだからな!」 「御主人さま、それなんてツンデレ?」 「ええい、うるさいっ!とりあえず怪我もしてるんだから、センターに連れてくぞ!」 「え、えっと…」 「あーもぉ面倒なっ!」 「きゃあっ!?」 「あ、お姫様だっこだー」 「やかましっ!このままセンターまで走るぞ!追手がきたら面倒だ!」 「はーい!」 「…なるほど、ロケット団に実験材料兼雑務をさせられていた訳か。それで、チャンスを見つけて脱走して、こうなったと」 「はい…私の両親はその時からずっと会っていません。…たぶん、もうこの世には…」 センターで治療を済ませたイーブイと、少年は宿泊施設の部屋で話をしていた。 「…そうか」 「お願いです、私もあなたの旅に連れて行って下さい!もうどこにも行く所がないんです!」 「うーん…」 少年は腕組みをして考えている。と、横に座っていた手持ちの萌えもん達が口を出した。 「御主人さま、ボク達からもお願いするよ!この子、ボク達が連れて行ってあげないとまた捕まっちゃうと思う!」 「マスター、あたしたちは仲間が増えた方が楽しくていいと思うな!」 「…ますたー」 「確かに…バタフリーやじんすけがいない今、戦力的にも新しい味方は必須か…タマムシだと危険も残るしな。 …あれ、待てよ?イーブイって、確か進化方向がかなりあるんじゃあ…」 「?」 「ふむ…まぁ、いいか。丁度新しいタイプも必要かと考えていたところだ。丁度水の石もあるしな。 雷の石と炎の石はそれぞれピカチュウとロコンに当てればいいし…」 「??」 「よし、イーブイ。とりあえずお前を仲間にすることに決めた。これからよろしく頼む。 それで、今後の事なんだが…進化って、知ってるか?」 * * * 「それでシャワーズにした、と」 「ああ。その後、4人と修行から呼び戻したじんすけを加えて、シャワーズの案内で地下のアジトをつぶしたうえでタマムシジムで勝利し、 そこで拾ったシルフスコープ引っ提げてシオンで幽霊退治とフジ博士の保護、そのままヤマブキに突っ込み、 格闘道場でトレーナー達と会って、ナツメとも会って…そうか、フーディンと会ったのはちょうどその時だっけな」 「む?フーディンはナツメと関わりがあったのか?」 「関わりも何も」 水を口に含んで飲み込み、喉を冷やして話を再開する。 「アイツは元はナツメの所のエースだぜ?それがなぜか俺の手持ちに入りたいって言ったんだよ。 まぁ、俺としては大助かりなんだよな…有能だし、強いし」 「御主人、その時の話も聞かせてはもらえまいか」 「ああ、分かった」 「しかしシャワーズ。君は進化にこだわりなどはなかったのか?何になりたい、とか。折角選べるのに」 「うーん…私はそういう事はあまり考えてませんでしたね…ただただマスターの役に立てるなら、としか…」 「…君は意外とバカだな」 「そうかもしれませんね…ところで、フーディンはどうしてマスターの所へ?」 枕に頭を預けたまま、フーディンは寝返りをうって天井を眺める。 「あの時――私が彼を始めて感じ取った時――」 * * * 金色の町ヤマブキ。俺は今、4人の手持ちとともにここに来ていた。 ロケット団に占拠され要塞と化したシルフカンパニー攻略のため、俺は格闘道場とそこにいたトレーナー達と会った。 彼らと話し合った結果、まず数名が潜入して入口から1Fを占拠して、その後にすべての戦力でロケットだんを追い出すという形になった。 もともと俺一人でも突入するつもりだったが、戦力は多いに越したことはないだろう。 そして、彼らの進言に応じて、俺は今ヤマブキジムへと忍び込もうとしていた。 ヤマブキシティジムには、格闘道場と違ってロケット団の見張りが配置されている。(格闘道場には、変装したトレーナーがカモフラージュに立っている) 監視の必要があるだけ、ジムリーダー・ナツメをはじめとする強いトレーナーも多い。 つまり彼女たちの力を借りられれば、戦力は格段にアップするのだ。 「…いらっしゃい、ってか」 窓が一か所だけ開いている。俺はその枠に手をかけ、ジム内へと乗り込んだ。 エスパー少女、ナツメ。彼女は人の思考をある程度読み取ったり、未来予知ができるらしい。大方俺が来るのも予測済みだろう。 彼がジムの敷地へ入った瞬間から、感じていたものが強くなった。 念話で、隣に座っている主人へと語りかける。 『…ナツメ』 『わかってる、ユンゲラー。もうすぐ、彼がやってくる… 一億の原初を連れて、一億の終焉を連れて、一億の復讐を、遂げるために…』 そう。彼の内面に見える渦巻く意思は、怒りの色を濃く映している。 理性の皮に包まれた、恐ろしく激しい感情の血と肉と骨。 その色を表すなら、復讐者の真紅(クリムゾン)。 焔の光より赤く、血の色よりも濃い、凄絶な戦意と覚悟。これが私達に向けられていないのは、幸いだろう。 『恐ろしい人ね…私達のようなモノでなければ、普段の彼からは内面の欠片も感じられないでしょう。 彼は理性で抑えている…怒りと絶望と悪意を…いえ、最初から一つにしか向いていないから、かしら』 『ナツメ。彼に手を貸すつもり?』 『彼には申し訳ないけれど、それはできないわ』 しかし、彼女には策があるようだった。ここから動かずに、状況を打開する考えが。 …彼女の思考は、私にはほとんど読み取れない。 「…………」 「ええ…あなたの思う通り。ここのトレーナーは外出の際一人一人を徹底的に見張られているの。 私たちでは対処のしようがないわ。…せめて、ジムの監視の目をそらせればジムから敵を排除して立てこもる事はできるかもしれないけれど」 「わかった。…なら、俺たちだけで作戦を決行する。…もしかしたら、奴らの眼はすべてこちらに向くかもしれない。 情報提供感謝する、ヤマブキシティジムジムリーダー、ナツメ」 想像していた通り、助力は得られなかった。相当ロケット団に警戒されているらしい。 しかし、さすがエスパーだな。俺の思考を読み取って、欲しい情報だけを丁寧に渡してくれた。 「まって。確かにトレーナーは動けないけれど、萌えもんは別」 「…どういう事だ?」 「私のユンゲラーをあなたに預ける。戦力に加えてくれて構わない」 そう言うと、横に控えていたユンゲラーをボールへと入れて、俺へと手渡した。 「…ありがとう。すべて終わったら返しにくる」 「ええ、待ってるわ」 …ジムを抜け出してから気づいた。 ユンゲラーの進化条件って…確か……。 道場から出て、センターの宿泊施設の中で私は彼と対面した。 「やっぱり、進化してたか…どっちの名前で呼んだらいい?」 「フーディンで構わない。名前はそれほど重要じゃない」 「そうかもな。…とりあえず、短い間だがよろしく頼む、フーディン。 作戦の決行は明日、10時からだ。それまでは俺と一緒に過ごしてもらうんだが…折角だから、仲良くやろうぜ」 「同感だね。よろしくお願いするよ、クリム君…いや、マスターと呼ばせてもらおう。こちらの方が語感がいい」 …ユンゲラーは人との通信交換によって進化する。まぁ要するにそう言う事だ。 しかし、コイツだけでも非常に大きな戦力となりうる。ナツメの好意に感謝しよう。 あわよくば、ジムリーダーの手の内の一つも見せてもらえるかもしれない。 「フーディン、よろしくね。ボクフシギソウ!こっちがピカチュウで、ロコンで、シャワーズ!」 「ああ、よろしく」 とりあえず、明日まではゆっくり過ごそう。…ここで長きにわたる因縁に決着がつくとは思えないが、 だからといって奴らの拠点を放っておくつもりなど毛頭ない。明日で奴らのヤマブキにおける天下は最後だ。 「とりあえず、今日はみんな早めに寝るようにな。明日は相当激しい戦いになる」 「はーい」 …俺ももう寝よう。 * * * 私は今、かりそめのマスターと共にシルフカンパニー内を駆けていた。 彼がなぜか持っていたロケット団のバッジで怪しまれずに内部へ侵入し、内側から一階の敵を一掃、仲間を導きいれたのだ。 彼自身の過去を読み取ることもできただろうが、流石にそれはしたくない。 「フーディン、敵は!?」 「問題ない。…いや、上から複数、左の階段だね。私がやろう」 「任せる!フシギソウ、ピカチュウ、下の足止めを頼む!」 「はーい!」「了解!」 意識を集中。私の力は、念ずることによって作り出される。 難しい筈はない。不可能な事でもない。 もとよりこの身は、ただそれだけに特化した念力回路――――! こちらの敵を片付けると、マスターと仲間たちの方もすでに片付いていた。 彼の萌えもんトレーナーとしての能力は、私の主観としては非常に高い。 捕獲能力は見れないけれど、戦闘、指揮能力に置いて非常に優れている。アイテムによる支援のタイミングも適切だ。 …しかし、彼のその完成された能力とは裏腹に、心は相当不安定。年齢的にもそうだが、どうやら以前にロケット団と何かあったようだ。 一見すると仲間たちには普通に接しているが、敵に対しては非常に残虐。つき従っている彼女たちは、その辺りを理解しているようだけれども。 私の理性は、彼に対する興味を抑える事ができそうにない。 この今にも潰れてしまいそうな少年トレーナーを、ずっと見てみたい気もする。 「フーディン、そろそろボスの部屋が近い。いけるか?」 「あ、ああ…もちろん。大丈夫だよ」 …だが、私の本分を忘れるわけにもいかない。私はヤマブキジムの萌えもん。 ナツメのために戦うのが、私の使命だ。 「…サカキとは、ここで決着をつける!いくぞ、皆!」 「分かった!」 「うん!」 「は、はい…」 「行きましょう、マスター!」 「了解…!」 私達は、エレベーターから飛び出して走り出す。ヤマブキの平穏を、取り戻すために。 * * * 「…………」 サカキを取り逃がし、シルフカンパニーの残党片付け終了から4時間ほど経った明け方。 俺は、ヤマブキジムに挑戦しに来ていた。 正直結構眠い。仲間たちの治療をしている間、俺もベンチで仮眠はとったのだが… ロケット団の残党がどこに潜んでいるかもわからない今、さっさとフーディンを返し、戦ってこの場を離れるべきだと思う。 「行くか。…普通に入っていいよな?」 「何の問題があるというんだい?もうロケット団は片付けたんだ」 「それもそうだな…行くか」 ジムの中に入って、ナツメと対面する。 彼女はすでに、フィールドの端に立っていた。 「ナツメ。返しに来たぞ」 「…来たわね。あなたがフーディンを返し、バッジを賭けて挑んでくることは分かっていた。 そして、その結果も私には見えている―――」 ナツメが取り出したのは、ゴールドバッジ。それを、指ではじいた。 「…!?」 気付けば、俺の手の中にそのバッジが収まっている。…まぎれもない、本物だ。 「何のつもりだ、ナツメ」 「…私も、フーディンも、人の意思を強く感じ取ることができる。貴方の覚悟と戦意の前に、 私達は戦う気力を保つ事は出来なかった…不戦敗って奴ね」 「ふざけるな!」 「ふざけてなんていないわ。これはまぎれもなく、貴方の力による勝利よ。バッジを受け取って」 「嫌だ!こんな方法で手に入れた勝利なんて必要ない!」 「貴方が勝利の方法を選ぶとは思わなかったわ。…手段を選ばずロケット団を倒していた貴方が」 「ッ…!!」 「ならこうしましょう。バッジをあげる代わりに、私のお願いを一つ聞いてもらうわ。 これなら、いいでしょう?」 …あんまり納得はできないが…まぁ、俺の方も疲労している。…仕方ないといえば、仕方無いのか。 「そのお願いって?」 「フーディンを貴方の手持ちに加えて欲しい。…彼女自身の希望よ」 「えぇっ!?」 「…今回の戦いで、君に興味がわいた。これから先の戦いでも、私の力は役に立つと思うけれど…駄目かな?」 いや、戦力としては申し分ないけれど…いいのかな、そう言うのって…バッジも貰って、萌えもんも貰って… 「貴方には、その資格があるわ。バッジを持ち、フーディンを受け取る資格が」 思考を読まれたか。…だが、悪くはない話だ。精神的には納得しきれないが…まぁ、いずれ決着をつける日も来るだろう。 「…分かった。バッジとフーディン、ありがたく頂戴する」 「その言いかただと何か怪しいけど…まぁいいや。ありがとう、マスター。これから…よろしく」 「ああ、よろしく頼む。…ナツメ、俺達はもう出発する。奴らは俺たちをすでに認識している。ここにも長くはいられない」 「わかったわ。…次にあなたが来るときには、堂々と街を歩けるようにしておく」 「…期待しておくよ」 5人目の仲間を加えて、俺達は町を出た。…いい加減体も限界だ。サイクリングロードを使って、さっさとセキチクに行くとしよう。 * * * 「…とまぁ、以上が俺とフーディンの出会いの話だ。だいぶ切り上げたところもあったが、 それはまた別の話だな。…そろそろ、眠くなってきたな…」 「お疲れ様、御主人。我も眠くなってきた所だ、お互いそろそろ休むとしよう。 貴重な話をありがとう。…お休み、御主人」 「ああ。…お休み、プテラ」 あとがき。 今回は回想メインとなっています。チャットで意見を聞いて、多かったシャワーズとフーディンから。 所々に細かいネタも放り込んだりしていますので、楽しんでいただけましたら幸いです。 …次回は、ピカチュウとロコン編へ行きたいのですが…いかんせんネタが出ませんね… ここまで読んでくださり、ありがとうございました!次回をお楽しみに!
https://w.atwiki.jp/customdrive/pages/9.html
カスタムパーツ 性格 キャラクターごとに5つ 服装 10種類 帽子 5種類(着脱可) メガネ 5種類(着脱可) アクセサリー 10種類(着脱可) 服装、帽子、メガネ、アクセサリーはそれぞれキャラクターごとにデザインが違う。 カスタムパーツの入手方法 性格の入手 その他カスタムパーツの入手
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/1355.html
~前回までのあらすじ~ 格闘家の主人公リュウキ(竜鬼)は後に相棒になるラルトスのイズナを22番道路で助ける。トキワの森でゴースのいずも(出雲)と出会う。 サイホーンのサイム、ストライクのムサシを仲間に加え暴走したロケット団を倒しミュウツーのヴァリスを仲間にした。 少し自由時間が出来たのでみんなに自由行動させた。しか~し、これがいけなかった。極度の方向音痴のいずもがサイムと迷子になった。 ヤマブキのジムリーダーナツメの超能力で二人が無人発電所にいることが分かったリュウキ達は迎えに行くことに・・・・ ここはシオンタウン、ポケモンタワー前 昼前 リュウキ「ここの向こう側が無人発電所か~」 ムサシ「イワヤマトンネルを抜ければつくでござる。」 リュウキ「またあのトンネル抜けねえといけねぇのか~」「はぁ~」 ヴァリス「えっ、そんなめんどくさいことしなくていいわよ。」 リュウキ&ムサシ「「えっ!!」」 イズナ「そうそう、俺らに任せてくれればいいぜ!」 ヴァリス「あなたと一緒にされるのはいい思いしなわ~」 イズナ「チッ、口の減らねぇやつだ!」 ヴァリス「なによ!」 イズナ「なんだよ!!」 リュウキ「お前らいい加減に・・・・せい!!!」 ゴン! ゴン! いい音が回りに響いた イズナ「いて~」 ヴァリス「いたぁ~い」 リュウキ「んでお前らが何をするんだ?」 イズナ「俺らのサイコキネシスで、リュウキと俺らが一緒に飛んでこの山を越えるんだよ!」 ヴァリス「そゆこと。」 リュウキ「なるほど。」「じゃあ膳は急げだ。ムサシ、ボールに戻ってくれ。」 ムサシ「分かったでござる。」 ムサシをボールに戻しリュウキ一行はサイコキネシスで山を越え無人発電所に着いた 無人発電所内部 昼時 ???「バッハッハッハッハ!!」 いずも「んも~そんなに笑わなくてもいいでしょ~」 いずもと話している男はビールジョッキを片手に大笑いしている。 ???「いやいやいや、ここまできたら笑うしかないわい。」 サイム「まぁだれでもこの話を聞けば、そうなるでしょう。」 いずも「サイムまで~」 ???「昨日久しぶりにひょっこり現れたと思ったら、そんな冒険をしていたとわな。」 いずも「おじさまはやっぱり変わらず私を笑いもの扱いする~」 ???「お前は外見が変わっても、中身はやっぱりそそっかしいな。」 サイム「で、本当にリュウキの旦那達が迎えに来るんですか?サンダーのおやっさん。」 サンダー「おう!ここの発電所はヤマブキのナツメが週一見に来たり、変わったことが無いか超能力で監視してんだ。」 サンダーが言うには、ナツメやサンダーが監視・管理をしていないころは電気萌えもんの巣窟になっていてよく停電が多発していたらしい。 サンダー「んで萌えもん代表が俺、人間代表がナツメの譲ちゃん。そうすることで両方のいざこざが無いようにしている。」 どうも、ほぼ空気扱いのサイムです。無人発電所に迷い込んだ俺といずも姐さん。最深部まで迷い込んだら頬に傷のある怖そ~なおっちゃん に目を付けられた。正直俺は一生ここから出られないと思いました。しかし、そんなことを思っている矢先、いずも姐さんがその男に近づいて 行った。俺はとっさに『姐さんを守らないと!』と思ったが、ものすんごく二人は親しく話し始めた。話の内容を聞いて分かってきた。怖そうな おっちゃんは、姐さんが小さい頃から親しくしていたサンダーさん。よくここに迷い込んでいたときに知り合ったらしい。話し始めたら、昔ここで 知り合った萌えもん達が懐かしい声を頼りに集まって昨日はその話で終わって、今日の朝サンダーさんが『わしにも聞かせろ!』とビール片手に 出て来た。しばらく話をしていてら、サンダーの部下が来て旦那達がここに向かっていることを報告してきた。待っていれば迎えに来るという ことなので、旦那達が来るまで待たせてもらうことになって今に至る。 同刻 無人発電所前のリュウキ達 ???「リュウキ様ですね。」 リュウキ「おう!」 ???「わたくしサンダー様の使いマルマインと申します。サンダー様の所までご案内いたします。」 リュウキ「よろしく頼む。」 マルマイン「こちらです。付いて来て下さい。」 マルマインはリュウキ達をサンダーがいる最深部まで案内した サンダー「おぉ、あんたがリュウキくんか?」 リュウキ「はい。」 サンダー「・・・いずもを頼んだぞ。」 リュウキ「わかりました。」 サンダー「いずもはワシにとっては娘、ここの奴らにとっては兄弟みたいなもんだ。」「くれぐれも無茶はさせんでくれ。」 リュウキ「気お付けます。」 サンダー「さて、今から我らが仲間いずもの門出だ!!」「皆、祝いじゃぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!」 発電所内萌えもん達「「「おぉー!!」」」 リュウキ(えっ、俺らの意見は?ってか俺らも宴会強制参加?) そこから飲めや歌えの大祝宴会!! イズナ「リュウキ~もっと俺に技教えてくれよ~。それから、俺ともっと『い・い・こ・と』しようぜ~」 リュウキ「はぁ!?ってお前酒飲んだのか!?」 イズナ「飲んれまれんよ~」訳:(飲んでませんよ) リュウキ「飲んでんじゃん!っと、ヴァリスは飲んでないよな!!」 ヴァリス「しゅびばぜん旦那様、ごはんはまだにゃのでわだじをたべて~!!」訳:(すみません旦那様、ご飯はまだなので私を・・・) リュウキ「ヴァ、ヴァリスまで・・・」「ム、ムサシは!!」 ムサシ「酒は飲んでも拙者は酔わないでござる。」 リュウキ「大丈夫そうだが、飲んだんだね・・・」「い、今のうちに宴会場の外に逃げ」 イズナ「リュウキー 一緒に飲もうれ!!」 リュウキ「戦略的撤退~!!」 ヴァリス「旦那様~そっちは、私達の家とは逆よ!!」 リュウキ(もはやヴァリスの言動は意味不明!!って俺の足浮いてないか?) イズナとヴァリスが二人してリュウキにサイコキネシスを使い身体を浮かせ、自分達の方に強制移動させていた イズナ「ナイス、ヴァリス!」 ヴァリス「いいのよイズナちゃん。じゃっ」 イズナ「おぅ!」 リュウキ「こういうときだけ仲良いなっ!!」「サイム~助けてくれ~」 サイム「旦那~全てを受け入れるんだ。」 リュウキ「てめー!!」「ってわーーーーーーーー」 そこで俺の記憶はなくなった。
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/362.html
隊長「…はぁ…」 俺はモーレツに悩んでいた。 俺の手元には今5匹の嫁達がいる。スピアー、ウツボット、ベトベトン、ファイアー、そしてこの前捕まえたカイオーガ。 だけど、俺の心は満たされない。 フ「何悩んでるんだ?」 隊「ファイアーか。いやさ、まだ手持ちに一人加えれるわけよ、その最後の一匹をどうしようか悩んでるんだ。」 ベ「また増やすんだ……へぇ~」 隊「なぁベトベトン、俺に圧し掛かるのはいいがせめて毒のないキスをしてくれ……俺の身が持たない。」 ベ「私から毒を取ったら、何が残るんだろうね…? クスクス……」 隊「それは……すまん、悪かった。とりあえずどいてくれ。」 離れようとしないベトベトンを何とか引き離す。 カ「それにしても、御主はこの童がいても不満だというのか?この変態め。」 隊「いや、そういうわけじゃないんだ。萌えもんリーグに挑戦しようと思ってな。」 カ「萌えもんリーグじゃと……?何じゃそれは。」 海御嬢は知らないのか? まぁ、伝説の萌えもんとはいえ知らないことも多いだろう。 ス「なるほどねぇ~、今まで嫁探しと称しながら全国を回りつつ、ジム戦をしていたのはそのためなのね。」 隊「そう、それももう終わり。もう8つのバッジが集まって萌えもんリーグに挑戦できる権利ができたというわけだ。」 カ「ならば何故今になって仲間を探すというのだ。」 隊「それでけ、萌えもんリーグってのが厳しい戦いになるからさ。」 カ「……むぅ…」 流石の御嬢も口を紡いだか。 隊「で、悩んでるわけなんだ。パーティのバランスがよくてかつ俺の嫁に認定してもいいようn……」 カ「また嫁か!!」 最近ヤケに喰い付くな、御嬢…… ウ「あ、あの、マスター。」 隊「ん? どうしたウツボット。散歩からえらい早い帰りじゃないか。」 ウ「それが、マスターに会いたいという萌えもんの方がいらっしゃいまして……」 隊「俺に会いたがってる萌えもん……?」 誰だ? 会いたがってる奴って…… ?「…フフ、久しぶりね、坊や。」 隊「げえっ! ヘル姐!」 説明しよう。ヘル姐とは文字通りヘルガー姐さんのことである。 俺が嫁探しをする前から知ってる近所のお姐さん、というか萌えもん。 彼女はまだ野生の萌えもんである。何故捕まえなかったのかって? 捕まえられないんだよ、というか捕まえる気が起こらないんだよ。色んな意味で。 そして異様にレベルが高い。マスターボール投げても素手で跳ね返されそうなくらいの強さである。 俺が旅に出る前から各地へ放浪を始めたらしいのだが、まさかこんなところで会うとは…… やべ、脂汗が出てきた…… ヘ「あらあら、見ない間に随分と大きくなっちゃって……それに、こんなに萌えもん集めちゃって…。私との愛はどうなったのかしら?」 隊「い、一方的な愛じゃないのか…?」 へ「ふぅん…、スピアーにウツボット、ベトベトンと見事に毒が揃ってるわねぇ~ それにファイアーとカイオーガ、こんな伝説の2人まで捕まえちゃって…。随分とエラくなっちゃったのね…♪」 隊「や、やめろ、俺を押し倒すな圧し掛かるな首を掻き毟ろうとするな…! 誰か止め…」 れるわけないよな…… 一同『……』 皆唖然としてるよ…… ヘ「あぁ~久しぶりに噛み砕いてやりたいわ…♪」 隊「……や、やめてくれよ……命が幾つあっても足りない……で、一体何の用なんだ…?」 へ「今日一日私に付き合いなさい♪」 一同『ええぇぇ!?』 な、何を言い出すんだこの黒犬はっ!! 隊「な、何で急に…!!」 ヘ「フフ、伝説の萌えもんの情報を知りたくないのかな~?」 隊「な…!?」 伝説の萌えもん…既に2人捕まえてるとはいえ気になるのは確かだ。 …しかしヘル姐、そんなことを引き合いに付き合えとは……地獄だ…… 隊「わ、わかった……」 ヘ「ん、じゃあ決まり♪ 他のお嫁さんたちはさっさとボールに戻ることね♪」 萌えもん達の方を向きニッコリと笑うヘル姐。 …その顔が怖いんだよ、畏怖過ぎるんだよ…! ほら、嫁達が怖気づいてるじゃないか……ファイアーも海御嬢も怖気づいてる… 隊「……すまない、今日はボールに戻ってくれ……」 皆素直にボールに戻ってくれた。うん、これでいいんだ、これで… ヘ「さぁ、行くわよ~」 隊「何処へ……」 ヘ「地獄のデートへ♪」 ……今日一日、先が思いやられる…… ――――――――――――――――――――――――――――――――― ウ「どうしました、マスター…顔が優れないですよ…?」 隊「……言わないでくれ……」 ヘ「さぁ、ひとっとびで行くわよ~!」 隊「ところで、その伝説の萌えもんは一体…?」 ヘ「氷の守護者、レジアイスよ♪」 後編へ続く……
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/546.html
「当たれ、当たれ、畜生当たれよぉ…!」 悲痛の叫びも空しく、ドラゴン族の脅威にオレは打ちひしがれていた。 何という、何という化け物なのだ。 まだ科学が今ほど発達していない時代、ドラゴンは人の恐怖全てを請け負ったという。 地震、雷、火事、親父…ではなく、洪水。 この世の天災は何もかもドラゴンのせいとして、まるで神のように崇め奉った。 萌えもんと認定された今でも、ドラゴン萌えもんは今挙げた天災を操れるし、畏敬の念も薄れていない。 元より人が立ち向かえる存在ではないのだ。 せめて、彼らと同等の何かでなければ路傍の草にもなりえない。 一瞬、別れてしまったあいつが脳裏を掠める。 今ごろ何をしているだろう。 オレみたいなエゴを押し付ける主人はもう忘れてしまってるかもしれない。 それでも、それでもやっぱり、オレは、あいつを。 「あ…」 続きの句は想いを上回る衝撃に塗り潰された。 ドラゴンが、ボールに収まっている。 勝ったのだ。 ドラゴンに、一介の人間でしかないオレが――― ピンポーン。 「じかんぎれでーす! ありがとうございましたー!」 ちぇ、せっかく盛り上がってたのに。 「お帰りなさいマスター! どうでした?」 サファリパーク萌えもんお預かりセンターに戻ると、リザードンがガルーラと遊んでいた。 50センチは差があるこの二人におままごとをされると、種族が違うのに親子にしか見えない。 もっとも、レベルでいえばカイリューとキャタピーぐらい差があるのだが。主に高さ的な意味で。 「大漁とはいかなかった。ま、本命を捕まえられたから元はとったよ」 一個だけ萌えもんの入ったサファリボールを掲げる。 他の萌えもんが居るといつもはビクビクしているリザードンが、とても楽しそうに羽をぱたつかせる。 「あー、ミニリュウじゃないですか。これ、マスターがわたしの次に好きな萌えもんでしょ?」 「まあな。正確にはこいつが進化したカイリューだけど」 リザードンに一目惚れしたのも、元はといえばこいつより強そうだと感じたからだ。 やはりドラゴンは男の浪漫である。何があろうと、この浪漫だけは持ちつづけたい。 願わくばこのミニリュウが成長した暁には『我』とか『人間風情が』とか『黙れ下等生物が』とか言って欲しい。 いやホント純粋な浪漫だから。やましい心とかないから。 それはそうと。 「嬉しいのは分かるが、覚えてもないのにかぜおこしは止めてくれ。 なんか困る」 後トレーナー狩りの収入だけではとてもここの修理費は払えない。 「あ、ああ、すいません! つい、やっと友達が来るんだなぁって思ったら。 ごめんなさい! これからはしっぽ振るだけにしますからぁ」 「それも覚えてない技だろ。大丈夫だって、もうそらをとぶ覚えろなんて言わないって」 あの後、リザードンがマスターボールから出てきてくれるだけで一週間かかった。 やり直すと云ってもマサラタウンからまた旅を続ける訳にもいかない。 色々とお互いの意見を(時折リザードンの涙目に弱りながら)交換していく中である共通の答えが生まれた。 リザードンとオレの二人旅はこれ以上無理である。 オレはまだジムを制覇していない。この先、ほのお萌えもんの弱点を突くジムリーダーがいないとも限らない。 その先にはセキエイリーグ四天王が待ち受けている。 ロケット団のサカキもこのまま終わる男とは思えない。奴のサイホーンはリザードンの天敵だ。 そうでなくても今の今までリザードンには負担をかけ続けてきたのだ。このままではまたいつ爆発する事か。 当面はリザードンについていけるような萌えもんを捕まえよう。とりあえずの方針はそうなった。 ならばオレに当てがあるとサファリパークに出向いて、今に至る、という訳だ。 その当てとはもちろん、このボールに眠るミニリュウの事である。 「でもちょっとレベルが低いかな。いや、リザードンと比べるのはちと酷か」 「え? じゃあカイリューになるのはもっと先ですか?」 「んー、そうなるな。でもハクリューになれば充分な戦力に化けてくれるさ。 安心しろ、もうお前にメロメロなんてやらせないから」 正直あれはかなり効いた。 万年発情期女か。相棒と思ってた萌えもんにそう思わせてたなんてもうトレーナー失格ではあるまいか。 今でも引きずってるかもなと少し自己嫌悪に陥っているところで。 「あ、そうですね。そうかぁ、もうマスターに無茶言われなくていいのかぁ」 その萌えもんは、どこか遠くを見る目で、そんな事を呟いた。 「また遊びにきなさいねー!」 「う、うんっ」 よっぽど仲良くなったのか、ガルーラと手を振り合って別れるリザードン。 シオンタウンではシルフスコープを常時装備してなければ出歩けない程臆病なこいつには珍しい事だ。 「ミニリュウと一緒にガルーラも捕まえた方が良かったか?」 「いいですよそんな気を使わなくて。もっと前みたいに酷い事言ってください」 「それはそれでオレがへこむんだが」 「あ、すいません! 萌えもんにそんな事言われたら傷つきますよね」 「いいからいいから」 よくこいつと旅してて進化後を想像出来なかったなオレ。 恋は盲目か。恋というより憧れだが。 「それに、いきなり二人も増えちゃったら、わたしちょっと辛いです」 「え?」 足が止まる。さっきと同じ、どこか遠くを見る目だ。 「友達が欲しいって言ったのはわたしですけど、実は半分はうそなんです。 マスターに合わない技覚えさせられたりひどい敵と戦わされるのは本当に大変でした。 痛くて辛くて、ハナダで戦ったスターミーはちょっとトラウマになっちゃって。 でもマスターはわたし一人と旅を続けた。 マスターはわたしを今のわたしに進化させたい一心だったんでしょうけど、嬉しかったんです。 わたしはわたしだけを選んでくれたマスターと旅が出来てるんだって」 ふと、あの時の言葉を思い出した。 ―――マスターと二人で平和に。 「ミニリュウって友達が出来るのは嬉しいです。マスターがわたしを考えてくれたって事ですから。 でも、代わりにわたしだけを選んでくれたマスターじゃなくなっちゃった。 だからガルーラも入っちゃったら、マスター、わたしに、構って、ウッ、くれないかもしれない。 わたしは、わたしはただぁ」 「リザードン」 同じ轍を踏んではならない。 本当は四天王を倒してから言おうと思ってたが、彼女の涙腺がまた崩壊する前に、今言っておこう。 「ナナシマって知ってるか?」 「え?」 「知らないか。じゃあマサキって覚えてるか? ほら、お前のトラウマのスターミーがいたハナダで会った、萌えもんと同化しちゃった奴。 あいつから聞いたんだが、海の向こうにはナナシマってリゾート地があるらしい」 かなりの田舎だが、いい所で、カントーほどじゃないにしろ、全部回るのは一苦労らしい。 噂では伝説の萌えもんの目撃情報もあるらしく、一日二日で帰れるような島ではない。 「は、はい。あそこのともしびやまは、わたしのようなほのお萌えもんの間では有名です」 「なんだ知ってるのか。じゃあ話が早い。もし四天王を倒して、オレがチャンピオンになったら」 「なったら」 泣きべそと期待が半々の顔でオレの言葉をくり返すリザードン。 その見た目はとてもじゃないが、オレが憧れていたリザードンとは程遠い。 それでも、ここまで付き合ってくれた相棒なんだから。 ささやかなお願いは叶えてやらないと。 「二人きりで一緒に」 「一緒に」 「旅w「ごしゅじんさまー!」 「ごしゅじんさま。…え」 「は」 ……さて、非常に唐突ではあるが、ここで萌えもんの性格について軽い考察をしてみたい。 今回のリザード→リザードンの例から分かるように、萌えもんの性格というのは進化に影響されない可能性が高い。 環境に惑わされる事も少ないようだ。オレとの無茶苦茶な旅でもリザードンのメンタルはこのように脆い。 となれば、萌えもんの性格はほぼ生まれつきで決定されてしまい、ちょっとやそっとでは変化しないと思われる。 つまり、性格がどんなにその萌えもんの種族と合っていなかろうが、それは個性として割り切るしかない。 オレのリザードンがその筆頭であり、あろうことか。 「ごしゅじんさまー! やったー、やっとひとにつかまえてもらったー。いろんなとこにいけるー!」 先ほど捕まえたミニリュウも、そういう割り切るしかないタイプの性格らしい。 ちなみに後で調べたらむじゃき。悪くいえばアホのこでした。 「え、え、え、」 「ねーねーどこいくのどこいくの? あたしはねあたしね、えーとね、うーんどこでもいいや!」 この拙い喋り。あえて文字で表現するならば全部ひらがなだろうと言い切れる。 突然ボールから出てきたミニリュウは、まきつくの技でオレの腕を捉え、離さない。 「ま、待てミニリュウ! 今オレは大事な話を」 「ねーねーどこいくの? いかないの? じゃああそぼうよ。なみのりごっこ!」 子供でも遊びはダイナミックかつ強力だなオイ…! 「マ、マスター、この子、マスターにぃ。うぅう、そんなベタベタしてぇ」 ぐわ! しかもせっかく半分まで抑えた泣きべそがここに来て勢力拡大!? ちょっと待てOK落ち着け。まま、まだあわてるようなじじじじじじじじかんんんじゃ。 「あ、リザードンだー。よろしくねー。ごしゅじんさまー、さんにんであそぼー」 「うぅ、うぅううううぅ。 やっぱりわたしちっちゃいままのほうが良かったぁ!」 ドラゴンタイプの威厳なんぞひとかけらも見せないミニリュウ。 何がどうすればそういう結論になるのか、期待を粉々にされてもう泣くしかないリザードン。 この世のものとは思えない惨状を前に、現実逃避にこんな事を思った。 今はまだ可愛いじゃれ合いで済むが。 カイリューに進化してもこのノリで来られたら洒落にならねえよなぁ、と。 アホのこ初代ドラゴン族の可愛さは異常。 泣き虫リザードンの次に異常。
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/1055.html
【ネギは食べれないけどお酒は欲しいな♪】 「フーディン、相手の速度は厄介だ、近づけるな!」 「ラスピアス、速度で翻弄しろ!攻撃は見えないが足を止めなければ早々当たらない!」 昼前のトキワジム。 そのスタジアムで、二人のトレーナーとその萌えもんが戦っていた。 フーディンのマスター、トキワジムリーダーのクリム。 挑戦者であり、ラスピアスの主人でもあるトレーナーのリン。 「ふっ…はっ…!」 「えい!やぁっ!」 遠距離から念の拳やサイコキネシスで攻撃するフーディンと、それをかわしながら距離を測り、チャンスを狙うラスピアス。 膠着している戦況を覆すために、二人のトレーナーは同時に動いていた。 「フーディン、ケリをつけるぞ!」 「ラスピアス、ここで決める!」 「了解…!」 「わかった…いっくよー!」 フーディンの体が念力によって無意識の制限を外され、赤く燃えあがりはじめるのと、 ラスピアスの鋼の装甲が最大出力に備えて展開されたのは―――ほぼ同時。 「おぉぉぉぉぉぉぉっ!!」 「たりゃあぁぁぁぁっ!!」 超高速での機動と激突。そして――― 「はぁぁっ!!」 「やぁぁっ!!」 スタジアムの中央、互いに拳と槍を突きつけ合った体勢で動きは止まっていた。 静止した空間。それを打ち破ったのは、ひとつの柏手だった。 「はいっ、そこまでです!」 審判席に立っていたシャワーズの声で、二人のトレーナーと萌えもんは同時に息を吐く。 「はぁっ…引き分けか…」 「ふぃ~っ…疲れたぁ…」 「しかし驚いたよ…まさか追いつかれるとは」 「日頃の鍛錬は嘘は付かない、って事だね」 「ふぅ…腕を上げたな、リン。こっちも本気を引き出されてしまった」 「いえいえ、俺なんかまだまだですよ。…借りてる萌えもんで勝っても意味はないですし」 「けど、その割にはちゃんと指示も出せてた。ユカだって、お前がちゃんと面倒を見てくれると考えたからこそ、 ラスピアスやエアームド達を預けたんだ、自信を持て。これで8つのジムを制覇したんだからな」 「…はい、ありがとうございました!」 満足げに笑うクリムは、フーディンをボールに戻して軽く体を伸ばす。 「さて、と。どうする?リーグ出場の申請、ここから出来るけど。 せっかくだしやっていくか?もう資格はあるんだし、時間も時間だから昼飯くらいは食わせてやれる」 「…そうですね、お願いします」 「じゃ、ついてこい。ちょっと時間かかるぞ」 「はい!…姉さん、しばらく待っててくれないか」 リンが振り返った先には、伝説の萌えもん、ホウオウ。主(?)の言葉に微笑んで返す。 「はい、行ってらっしゃい あ、それと…おめでとう、よく頑張ったね」 「まぁね…手持ちを貸してくれたユカの為にも頑張らないとね」 そういってリンも微笑む。 クリムも振り返り、その先の萌えもんに声をかける。 「じゃあシャワーズ、そっちはよろしくな」 「わかりました」 - Side A シャワーズ - 「お疲れ様」 審判席から降りたシャワーズに、相手のパートナーらしき萌えもんが声をかけてくる。 みたことのない萌えもんだったが、伝説の存在、ホウオウらしい。 「いえ、私は何も…」 相手は伝説…の、はずなのだが。3年前に対峙したファイヤーや、数か月前戦ったディアルガのような威圧感は微塵も感じられない。 それも彼女の実力のうちなのだろうか…だとすれば、もし戦って勝てるだろうか。 (…戦わないのが一番いいですよね) シャワーズは知っている。圧倒的な力の恐怖を。仲間や愛する人と一緒に立ち向かっていった、あの時の恐怖を。 伝説の存在たる彼女は、それを知っているのだろうか。…いや、それは自分が気にすることではない。 「…………」 「…………」 …会話が、続かない。 (な、何か…何か話のネタは…) 逃れるように換気のために開かれた天井を見上げると、真上に太陽。 「そ、そういえば…もう、お昼時ですね」 「そ、そうね…」 と。ドアが開く音がしたので振り返ってみると、クリムの声が聞こえた。 「悪いシャワーズ。意外と時間かかりそうだから、昼は先に食べててくれ!」 「何かあったんですか?」 「リンのトレーナーカードの更新が切れてた。手続きが増えただけだ、心配ない。 それと、そっちのホウオウのことも頼む!」 「え、あ、はい、分かりました!」 それだけ言い残すと、主人はドアの向こうに消えていった。 とりあえず、唖然としてるホウオウに声をかける。 「あの、まぁ、そういう事らしいので…よかったらこちらにどうぞ。ここよりは涼しいですよ? お昼ごはんも今用意してた所ですから、食べて行って下さい」 「え、えっと…いいのかな?」 「うちのマスターはもともとそのつもりだったみたいですから…」 主人にとって友人、もしくは弟子のような存在であるホウオウのマスターが来ると聞いて、 彼は朝から少し楽しそうだった。…昼食を多めに用意するようにとも言っていたし。 「折角ですし、みんなで食べた方が楽しいでしょう?」 「でも…」 ―きゅるるるる…― タイミング良くホウオウのお腹が鳴った。 「お腹…減ってるんですね?」 「は…はい…」 「それで、どうしますか?」 「・・・・・お願いします」 ホウオウは顔を赤くして答える。 二人は並んで、ジムの奥へと入って行った。 ジムの奥は、居住空間となっている。 シャワーズとフシギバナの希望でかなり強化されたシステムキッチンと一体のリビングへ、ホウオウを通した。 と、そこには先客がいた。――フライゴンだ。 「ありゃ、シャワーズ?もう終わったん?」 「ええ、お昼を先に食べることになったので…こちらが、リンさんのホウオウです」 「は、はじめまし…うぷっ!?」 「やーん、かわええー♪なにこの和服似合いすぎぃ♪」 「ちょ、ちょっとフライゴン!」 紹介が終わる前に、フライゴンがホウオウを抱き締めていた。…どこかで見たような光景だ。 自分の胸に相手の頭を押し付け、そのまま体を抱くフライゴン特有の抱き方。 「……あの、フライゴン。いいかげん離してあげないと…」 「え?あ、そやな。ウチ、ちょっとフーディンに用事があるんやった」 「えーっと…今はマスターと一緒に事務室にいると思います」 「ん、そっかー。じゃあ後でな、シャワーズ」 …それだけ言って、フライゴンはリビングを出て行った。相変わらず…なんというか、変わっているというか。 「…大丈夫ですか?」 「は、はい、なんとか・・・」 「気を悪くしないでくださいね…フライゴンはいつもああなんです」 とりあえず、ホウオウを椅子に座らせて、昼食の用意にかかる。 鍋で仕込みをしておいたスープを確認。 「…よし」 まずはどんぶりを用意し、ほんの少しゴマ油を入れ、さらに鍋の鶏がらスープを注ぐ。 これも調理済みの麺を入れ…そこで、ふと気付いてテーブルのホウオウに振り返った。 「ホウオウさん、ラーメン何か苦手な具とか、多めにして欲しいものとかありますか?」 尋ねると、ホウオウはしばらく考えた後で、とんでもないことを口にした。 「えっと…私、ネギがダメなので…ネギ抜きで」 「………え?」 - Side B ホウオウ - 「お疲れ様」 試合が終わって、私は審判席に居た萌えもん―ジムリーダー・クリムのシャワーズ―に声をかけた。 「いえ、私は何も…」 そう謙遜するシャワーズ というは少し違うか? これは…畏怖? そう言えば彼女は数年前にファイヤーと戦ったらしい。 (もし戦ったら…私が負けるな) 涙が出るほどに己のひ弱さは理解している。 戦闘力に秀でたファイヤー達と相対し、尚且つその発する『恐怖』に彼女は仲間たちと共に打ち勝った。 『勇者』とは絶対的な恐怖に打ち勝った者に与えられるもの。 そんな『勇者』とやりあおうなどとは考えない。 というより私が戦う意味ってあるのかしら? 「…………」 「…………」 思考を続けていた私と、話しづらそうなシャワーズ …か、会話が続かない。 「そ、そういえば…もう、お昼時ですね」 「そ、そうね…」 そういえば…もうお昼時か…お腹、すいたな。 そんな事を考えていると、向こうのドアが開いて― 「悪いシャワーズ。意外と時間かかりそうだから、昼は先に食べててくれ!」 「何かあったんですか?」 「リンのトレーナーカードの更新が切れてた。手続きが増えただけだ、心配ない。 それと、そっちのホウオウのことも頼む!」 「え、あ、はい、分かりました!」 …あー、そういえばトレーナーカードの更新最後にいつやってたっけ? 切れてたか… 「あの、まぁ、そういう事らしいので…よかったらこちらにどうぞ。ここよりは涼しいですよ? お昼ごはんも今用意してた所ですから、食べて行って下さい」 呆けていた私にそう声をかけるシャワーズ 「え、えっと…いいのかな?」 「うちのマスターはもともとそのつもりだったみたいですから…」 リンとクリムは…何ていうか『弟子と師匠』みたいな関係になってるからなぁ… でも、本人が居ないうちに先に食べてていいんだろうか。 「折角ですし、みんなで食べた方が楽しいでしょう?」 「でも…」 ―きゅるるるる…― そんなタイミングで鳴る私のお腹。 …恥ずかしい… 「お腹…減ってるんですね?」 「は…はい…」 「それで、どうしますか?」 「・・・・・お願いします」 …こうとしか答えられませんでした…だってお腹すいたんだもん! その後、私はジム奥の居住空間へ通された。 …へぇ、システムキッチン付きか。 かなり力はいってるなぁ… 「ありゃ、シャワーズ?もう終わったん?」 「ええ、お昼を先に食べることになったので…こちらが、リンさんのホウオウです」 どうやら先客がいた様子。 緑髪に羽根…フライゴンだ。 「は、はじめまし…うぷっ!?」 「やーん、かわええー♪なにこの和服似合いすぎぃ♪」 「ちょ、ちょっとフライゴン!」 ってちょ…!? 何か柔らかくてでっかいものが顔面にぃ!? っていうかでかすぎ!確かに私もそんなに小さくないし現在の大きさで満足はしてたりするけど何か悔しい! しかも苦しい!息が出来ない! 脱出しようと必死にもがいてみたが、彼我の腕力差は如何ともしがたい…あぁ、己の体力不足が恨めしい… 「……あの、フライゴン。いいかげん離してあげないと…」 「え?あ、そやな」 そういって拘束を解かれる。 …はぁ…色々と複雑な心境… 「ウチ、ちょっとフーディンに用事があるんやった」 「えーっと…今はマスターと一緒に事務室にいると思います」 「ん、そっかー。じゃあ後でな、シャワーズ」 そう言って彼女はリビングから出て行った。 「…大丈夫ですか?」 「は、はい、なんとか・・・」 「気を悪くしないでくださいね…フライゴンはいつもああなんです」 椅子に座って落ち着くことにする。 そをを確認した後、シャワーズは食事の支度を始めた。 どんぶりと麺…どうやらラーメンのようだ。しかもスープまで取る本格派… 「ホウオウさん、ラーメン何か苦手な具とか、多めにして欲しいものとかありますか?」 そう聞かれたので、ほぼ何時もの習慣で― 「えっと…私、ネギがダメなので…ネギ抜きで」 そう答えた。 「………え?」 …あ、何かマズかったかな? - Side A シャワーズ その2 - 「…えっと、ネギを抜くん…ですよね?」 「は…はい」 念のために確認した。 シャワーズは普段は控えめな性格であるが、それは決して、自己主張しないという事ではない。 それは、自分と他者の意見や思考が違う事を理解したうえで、相手のそれを尊重することができる、という彼女の冷静さだった。 だが。 眼前のホウオウの言葉は、とうてい理解しがたいものだった。 …いや、理解はできるが承服したくない。認めたくない。 「ネギを…抜くんですか…」 ネギ。この場合は、ラーメンの上に刻んで載せる青ネギ、もしくは薬味ネギをさす。 主人の嗜好もあって、この家でのラーメンは常にネギを多めに入れている。 もちろん、人(2人とも萌えもんだけれど)には好みがあるから、彼女のネギ嫌いもおかしくはない。 「一応聞きたいんですけど…ネギのどのあたりが苦手なんですか?」 「えっと…何ていうかあの臭いがちょっと…」 なるほど。ネギ嫌いの人がたいていあげる原因だ。それは理解できる。 確かに、ネギは比較的クセのあるものかもしれない。だが、そのクセを補って余りある利点がある。 「でも、ラーメンからネギを抜いたら野菜が少ないじゃないですか? それに、口の中からいつまでも脂が抜けないし…ネギは、ラーメンをおいしく食べるために必要だと思うんですけれど…」 ネギの役目。それは、脂の多いラーメンを食べる際、その味に飽きがこないようにすると同時に、 脂の味をリセットできる貴重な薬味。…それを抜くのは、最早ラーメンに対する冒涜ではないだろうか? …だが、そんな事よりもむしろ。 (…なんとかこのひとのネギ嫌いを治せないでしょうか…) シャワーズの思考は別方面に飛んでいた。 ネギは確かに好き嫌いの別れる食材だが、好きになればいろいろなものの味が変わるはず。 …しかし、ネギの臭みをどうにかしつつ、他の部分を生かせる料理…それが、シャワーズには思いつかない。 (…うーん、誰か教えてくれないかなぁ…) などと、思った瞬間。救世主は…帰ってきた。 「ふんふふーん…っと、シャワーズ、何してんのん?」 「フライゴン!」 - Side B ホウオウ その2 - 「…えっと、ネギを抜くん…ですよね?」 「は…はい」 「ネギを…抜くんですか…」 あぁ…ヤバい、完全に地雷踏んだ… ついいつものクセで… 「一応聞きたいんですけど…ネギのどのあたりが苦手なんですか?」 「えっと…何ていうかあの臭いがちょっと…」 かなり長く生きているが、どうしてもあの臭いが克服出来そうに無い… リンはそういう点に寛容なので許してもらえているところはあるが、他所様のお宅ではそうは行かない。 でもネギは… 「でも、ラーメンからネギを抜いたら野菜が少ないじゃないですか? それに、口の中からいつまでも脂が抜けないし…ネギは、ラーメンをおいしく食べるために必要だと思うんですけれど…」 あぁ…その言葉が耳に痛い。 …って、何か途中からシャワーズの言葉に熱が入ってきているような。 何か別のものを踏んでしまったか? そんなタイミングで― 「ふんふふーん…っと、シャワーズ、何してんのん?」 「フライゴン!」 フライゴンが戻ってきた。 「何かシャワーズが珍しく熱くなってた気がしたんやけど…どないしたん?」 「…はい、実は…」 そう言ってフライゴンにコレまでの事情を話し始めるシャワーズ …やっぱりちょっと熱くなってるかな? 「そういう事なら、ウチに任せとき」 「はい?」 どうなるんだろう、これから。 …お腹すいた… - Side A シャワーズ その3 - 「…で、任せていいんですか、フライゴン」 「ん、要するにネギの臭みを取るんやろ?ならウチがなんとかするわ。 ウチも昔はネギ嫌いやったけど、あれのおかげで治せたからなぁ」 「へぇ…」 私は隣に立って、フライゴンの手際を見ることにした。 「シャワーズ、卵とって」 「はい」 「おーきに。…おっしゃ、やろか」 牛スジ肉を刻んで煮込んだものを、冷蔵庫から取り出す。フライゴンがよく料理に使うために、 普段から仕込んでおいてある物だ。…単品でお酒とあわせて食べてたりもするけど。 「じゃあシャワーズ、こっち頼むな。レシピはこれで」 「は、はい」 受け取ったレシピを眺めながら、準備にかかる。 スジ肉を親指の先ほどの大きさに切り、同様のサイズにしたこんにゃくと一緒に、 みりん・醤油・砂糖で炊いて行く。 同時にネギを細かくみじん切りにして、軽く水分を切る。 隣を見ると、フライゴンは生地の制作に取り掛かっていた。 鰹だし汁・メリケン粉・山芋・塩・酒・卵などを混ぜ合わせ、 完成した生地を、油をひいたフライパンに薄くのばす。 さらにその上から、ネギを大量に載せ、スジ肉とコンニャクを載せ、薬味に軽く紅ショウガを加える。 最後に生地を上からかけて、ある程度焼けたらひっくり返して強く上から押す。 「ん、いい匂いがしてきましたね」 「せやろ?」 さらにひっくり返し、軽く醤油をかけてすぐにひっくり返し、両面に醤油を馴染ませた後で、 レモン汁を全体にふりかけて、皿へとうつす。 「ほい、完成!」 「さすがといいますか…手慣れてますね」 「後、シャワーズ。これにはもう一つ、必要なものがあるんやけど」 「…え?」 言うが早いか、フライゴンは冷蔵庫を開けて冷やしてあったグラス3つと、缶ビールを3つ取りだした。 「ネギ焼きで飲むビールは究極のうまさやで?」 「…昼間からお酒ですか…」 「まあええやん。…ビールがないネギ焼きなんて福神漬のないカレーやで?」 「私はらっきょう派なんですけれど…」 「ええから!」 言いながら、グラスとビール、そしてネギ焼きをホウオウの前に置くフライゴン。 「ごめんなぁ、待たせて。まぁ、とりあえず食べて飲んでみ」 「…ホントに、どうなっても知りませんからね?」 一応最後の良心っぽい事は言っておいたが、フライゴンが聞くわけもないだろうと確信していた。 - Side B ホウオウ その3 - フライゴンとシャワーズが何やら台所で始めている。 何かの煮物…その後に醤油の焼ける臭い。 そして…さっきから私を非っ常に不安にさせる臭いが… 「ごめんなぁ、待たせて。まぁ、とりあえず食べて飲んでみ」 「…ホントに、どうなっても知りませんからね?」 と言って、置かれたのはビール…と… 「…えっと、何、これ?」 「ネギ焼きや」 山盛りのネギが入った料理。 こう来たか。 「まぁ、まずは一杯、ぐいーっと」 「えぇ!? ちょっと…」 そう言ってビールをコップに注ぐフライゴン お酒かぁ… リンが全く飲めないせいか、此処暫くお預けだったんだけど… 飲みたいけど…目の前にあるのはネギ これは分かる、飲んでしまえば相手の術中に嵌まると。 嗚呼、でも手が勝手に… そんな私の意志とは無関係に私の手はコップを掴み― 「…んぐっ、んぐっ、んぐっ、んぐっ…はぁっ♪」 コップのビールを一気飲みしていた。 「おぉ、ええ飲みっぷりやねぇ」 「ちょ、ちょっと…大丈夫ですか?」 「大丈夫ですよぉ~♪ ちょ~っと久しぶりですっごーっく気持ちいいだけですからぁ♪」 「そかそか、それじゃもっと飲んでなー。ツマミはここにあるから、な?」 「は~い♪」 「それじゃウチも…んぐっ、んぐっ…ぷはーっ!やっぱりこれやね!」 「ちょ、ちょっとフライゴン…」 「ホレ、シャワーズも一杯」 「え…えぇっ!?」 その後の記憶は無い― 「どうも、要らない苦労までかけてすみませんでした…」 「いや、いいさ。こんな事は良くある」 やっと手続きの完了したリンとクリム 二人は先に食事をしているであろうホウオウ達に元に向かっていた。 「しかし…あの二人で大丈夫かな…シャワーズのヤツ、結構やりづらそうにしてたからな」 「大丈夫じゃないですか? 苦手意識もあるでしょうけど話せば まぁ、姉さんは取って喰えるような生き物じゃないですから」 「なんだよ、そりゃ…」 そんな事を言いつつ、リビングへやって来た二人が見た光景は― - Side ? クリム編 - …今の俺の脳内にはこの一言がふわふわと浮かんでいた。 「…なんだ、これは…」 待て、落ち着け。リンも唖然としてるってことはおそらく予想外の事態なんだ。 フライゴンがかなり酔ってる…昼間っから酒かよ、いつもの事だけど。 リンのホウオウもだ…伝説の威厳もどこへやら、だな。 シャワーズ…多少顔は赤いが正気のようだ、俺の方に走ってきてる。 「シャワーズ、何があっ…ぐぉあ!?」 …前言撤回。こいつもぶっ飛んでる。 「マスタぁあぁ…なんかふわふわしますー…」 「止めろシャワーズ、服を剥ぐなっ!フライゴン、何気に加勢しようとしてるんじゃない!」 「よーしウチもやるーっ!」 「HA☆NA☆SE!」 く、くそっ!いくらなんでも押し倒されて押さえつけられた状態でこいつら2人相手はキツいぞ!? リンは…駄目だ、あっちもホウオウにしがみつかれてる。 「えへへへ、リン~♪」 「ちょ、姉さん酒臭っ!勝手に飲んだのか!?」 くっ…後が面倒だが、ここはあいつに頼るしか…! 「やぁ、呼んだかいマスター」 「やっぱり呼ぶ前に来てくれると思ったぜ、フーディン」 「なんなら『Help me, Fudiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiin!』とか叫んでくれたらよかったのに」 「冗談だろ?」 「冗談だよ?」 フーディンが冷蔵庫を開け、1.5リットル入りペットボトルを取り出す。 「とりあえず酔いをさませばいいんだろう?」 「ああ、頼む。…後始末が面倒だが仕方がないな」 「わかった。…それ!」 「ひゃあああああああっ!?」 「みぎゃあああーっ!」 「うひゃああああああっ!?」 何が誰の悲鳴なのやら。フーディンがボトルを逆さにして出した冷水を、 念力で塊にして酔っ払い三人組に浴びせたのだ。 「…ふぇ?」 「あ、あれ、私、何を…」 「リ、リン?」 よし、三人とも正気に戻ってるな。 「とりあえず二人とも、どけ。話はそれからだ」 「…はい」 「…うん」 シャワーズとフライゴンが退いたので、俺は立ち上がる。…全く、服がびしょびしょだ。 「悪いなフーディン、助かった。ついでにちょっと雑巾を持ってきてくれ。 …お前らは着替えてこい。あと、そこの二人の分の着替えも頼む」 「うぅ…分かりました…」 無理やり覚ましたので多少調子が悪そうだが、仕方ない。 「リン、立てるか?」 「…酷い目にあいました…」 「むしろ見た感じまんざらじゃなさそうだったが」 「まぁ…姉さんがあそこまで甘えてくるのは…珍しいですけど」 …なるほど。逆に危険すぎて普段は飲めないってわけか。 「着替えを今用意させてる。部屋もあるから、今日は泊まって行け」 「いいんですか?」 「気にするな。…ひとつ、壁を乗り越えたんだ。一日くらいゆっくりしてもいいだろ」 「…お世話になります」 「素直でよろしい。…とりあえず、ホウオウをフォローしてこい」 「はい」 …さて。俺も着替えないとな… シャワーズとフライゴンは後で叱っておくとして。 「…しかし、なんでコイツらは昼間から酒を飲むような事を…」 「さ、さぁ…?」 - あとがき Side シーク - ホウ「・・・・・」 シャ「?」 フラ「どないしたん?」 ホウ「…シャワーズって、着やせするタイプなんだ…」 そんな会話がそのあとあったり無かったり… こんにちは、合作と聞いて即答でストーム7氏を指名したシークです(ぇ 時間かかりました…すみません。 製作段階で、こちらのネギ嫌いをネタにしてみよう、ということになりまして、こんな感じになりました。 一応話の流れとしては リン、ユカと合流 ↓ ユカ、リンにリーグに出ることをすすめる ↓ リン、リーグ挑戦を決意、その際ユカから手持ちを一部借りる ↓ 最後のジムとしてゴーグルのジムに挑戦 という流れになっています。 第一弾のCapri氏・嫁ドリル氏の作品はバトルチックでしたが、こちらはややほのぼの、暴走系、と言えるでしょうか? さて…次は…書けるかな?(ぇ - あとがき Side ストーム7 - シャ「え、えっと…ほら、私はあんまり体のラインが出る服は着ないので…」 フラ「シャワーズ、それ言い訳にもなってないと思うで?」 ホウ「うぅ、なんでクリムさんのとこの子はみんな…」 フー「…みんなが皆そういう体じゃあ…ないんだよ…(血涙」 さらにこんな会話が(殴 誘われるままにホイホイとしぅくさんと合作に挑んだストーム7です。 時間かかったのはもっぱら僕の方でした…ごめんなさい。 個人的にネギが大好きだったので、なんとかしてネギ嫌いを治す流れにしようと。 このゴーグルはみぃ編の少し前か後くらいだと思われます。 二十歳前後なので…お酒が飲めるかは微妙なあたりですが、気にしない方向で。 次回は…どうしようね(ぇ 合作の話はあちこちで上がってるので、前向きに進めて行きたいと思います。 …3ヶ月後には受験だけどね!
https://w.atwiki.jp/gamekoryaku/pages/293.html
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 背中を託せし者の攻略 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 背中を託せし者の攻略ゲーム 攻略本・サウンドトラックなど 攻略サイト 攻略 その他 ゲーム パッケージ メーカー公式HP 価格 発売日 備考 公式HP PSP ¥ 5,229 2009年10月15日 特典 ゲーム限定版 鋼の錬金術師FA アルケミストカードコレクション付き 攻略本・サウンドトラックなど 表紙 タイトル 出版 価格 発売日 備考 攻略サイト サイト名をクリックで攻略サイトへ移動します。 サイト名 感想 攻略 師匠イズミの倒し方 離れて師匠中心にして回るように走ってると師匠突進してくるか錬成してくる 突進→回避する 錬成→発動するまで回って避けれる角度になったら 突進してって飛び蹴りかます キャラ登場 エドorアル ホークアイ、マスタング マスタング イズミ、スカー ホークアイ メイ、アームストロング イズミorスカー リン、ラスト アームストロング ランファン、グラトニー メイorブッドレイ グラトニー・エンヴィー ラストorトニー グリード エンヴィー グリード(リン) リンorランファン ブラッドレイ ブラッドレイ エンヴィー カスタムテーマ 12種類? uitiiiou ukwisaki その他 誰との絆で戦うのか 固い絆が最強の錬成を生む 「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」がPSPに登場! 多種多様の錬金術を使って仲間との絆を感じながら闘うチーム錬金術バトル! ■予約特典は『ゲーム限定版 鋼の錬金術師FA アルケミストカードコレクション』 株式会社バンダイから発売されている「鋼FA アルケミストカードコレクション」をゲーム限定版でご用意! ここでしか手に入れることが出来ない特別なカードセットだ! ■さらに!ダブル特典として『PSP特製カスタムテーマ』も! カードに記載されているパスワードをゲーム内に用意された入力画面で入力すると、ここでしか手に入れることが出来ない「鋼FA」のPSP特製カスタムテーマがもらえる!! 戻る
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/853.html
――…目が覚める。 寝ぼけた目をこすりながら、俺は自分の部屋から出た。 「おはよう、母さん」 「おはよう。朝ごはん、もうちょっと待っててね」 母さんがキッチンで朝飯の用意をしている間に、トイレや洗面を済ましに行った。 「全く、何なのだろう」 洗い終えた顔を拭きながら、呟いてみる。 俺はマサラタウンに住んでいるが、近くには大きな研究所が存在する。 昨晩、その研究所の所長であり、博士であるオーキドさんから電話があったのだ。 なんでも用事がある為、研究所まで来て欲しいとの事。 その用事の内容こそ知らされては居ないのだが、兎に角行かねばなるまい。 「まだちょっと時間あるかなぁ」 リビングに戻ると、朝飯の良い香りがした。 「何言ってるの。時間にルーズなんだから、少し早めに行動した方が良いわよ」 母親がサラダを盛り付けたボールを運び、テーブルに置きながら注意する。 「まぁ、そうだね。…ふぁぁ…」 まだ余韻の残る眠気を、あくびに込める。 ふぅ…そろそろ頭の方も起きてきたかな。 第00話 「それじゃ、行って来る」 靴のヒモを結び直して、立ち上がる。 研究所までは距離は無い。 俺はとりあえず、の服装で家を出た。 「行ってらっしゃい」 程なくして研究所へと辿り着く。 入ってみると、助手がせわしく働いているようだ。 朝早いのに、お疲れ様です。 「お邪魔しまーす」 本棚の前で作業をしていた助手が、俺の姿に気付いて声を掛けてきた。 「お。来たね。博士なら奥に居るよ」 「おはよう御座います。有難う御座います」 挨拶と礼を述べて、早速研究所の奥へと向かった。 「来たな。ういっす」 聞き覚えのある声だ。 「…あれ?」 隣の家に住み、幼馴染でもあるコイツが笑みを浮かべて近寄ってくる。 「お前もか」 「え、どういう事…?」 俺はよく分からない表情を浮かべる。 昨日の電話での『用事』とは、こいつも含めた上での召集だったのだろうか。 「よし、二人とも来たな」 オーキドさん。いや、此処では博士か。…オーキド博士が現れ、事の説明を始めたのだった。 「二人を呼んだのは、極めて重要な頼み事があってのことじゃ」 「重要な頼み事…?」 俺はその言葉を反芻し、次の言葉を待つ。 「ワシの研究とは、何の研究をしとるのかは知っていると思う」 知らない筈が無い。PocketMonster、略語としてポケモンと称される生物の研究をしている。 そしてポケモンと人間との関係を飛躍的に向上させ、共存を可能とさせた第一人者とも言われる偉大な人物。それこそがオーキド博士なのだ。 「実は二人に、この研究を手伝って貰いたくてな」 「ええ!?」 「おい、じーさん!」 コイツも驚いているようだ。 「近年、可愛らしく人間に極めて近い形態を持つポケモンが発見されたのは知っとるか」 「じーさん、そりゃ有名な話だ。ニュースでかなりの話題だろ」 そう、ポケモンは今まで名前の通り『モンスター(怪物)』の様な姿形をしていたのが主だった。中には小動物的な可愛さを持つポケモンも存在したが。 しかし最近になって、異常増殖するポケモンが居た。 「萌え、もんですよね?」 俺はそんなポケモン達に付けられた別称を口にする。 萌え、とは俺が生まれるよりももっと前に流行した言葉らしく、「プリティー」やら「キュート」といった意味合いを持つ言葉らしい。 イカす、といった言葉が採択される可能性もあったが、ポケモン学会において「ナンセンス。萌え、の方が響きも良い」という意見が圧倒的多数を占め、 萌えもんという名称に決定付けられた。 テレビのインタビューに老人が出てきて、「まさか萌え、が此処で汎用する事になろうとは。ワシは嬉しい」といったコメントを残したのは、また別の話。 「萌えもんは、ほぼ未知に近い。同種であると思われるポケモンと、特徴こそ類似する点が見受けられるが、その行動などは全くもって不明」 「確か人語も喋るんだっけか?」 「その通りじゃ。ワシはポケモンの研究をしとったが、人語を話せる声帯は持っておらんかった。全てが謎だ」 ポケモンは、おおよそが鳴き声で意思伝達するらしい、という事が分かっている。 しかし萌えもんは、その鳴き声にプラスして人語をも話すことが出来るらしい。 多くの者が疑問を持ち、そして捕獲をしていった。 人権が萌えもんにも適用されるかどうかなども、問題となっている。 「ゴホン。そこで、あえてお前達二人にこの研究を手伝って貰いたいのだ」 「じーさん、話がみえねぇ。まず、俺らはガキだ。難しい言葉はチンプンカンプンだぜ?」 「分かっておる。だが、子供だからこそ手伝える事もあるのじゃよ。 コミュニケーションによって、萌えもんの生態を解き明かすアプローチをかけていこうと思うのじゃ。 子供の純粋な心によって、萌えもんの神秘に迫る事が出来たなら。そういった事なのじゃよ」 「言い方が悪いが、それは利用する、ってことなのかよ?」 おい、そこまで言う事は無いだろう。…と制止しようとしても無駄か。 昔から血の気は多い奴だ。ましてや祖父に対して遠慮なんかする筈も無い。 「まぁ、そうなるやもしれん。 だが、これは双方にメリットがあると思うのじゃ」 「どういう事だよ…?」 「これを見なさい」 博士は一つ咳払いをし、 「ここに、三匹の萌えもんが居る。一匹を選び、旅に出る。それだけなのじゃ」 唖然とする俺達に、博士はこう言った。 「自立する年齢になった事を、忘れていたのかね」 ああ…そうか。もう俺達、そんな年じゃないか。 博士は研究なんて言ってるけど、俺達が自立する為の手助けもしてくれているんだ。 好都合解釈だとは思わない。いつだって、オーキド博士はそういう人だったのだから。 「…具体的に、どうすれば良いのかを教えて下さい。博士」 俺は決意を固めた。 ――第00話 終わり ------------------------------------------------ 【ヒトリゴト】 萌えもん、という存在定義やら、世界観を詰め込みすぎたものとなりました。 原作(初代)に忠実な話にしたいと思ったので、 設定説明オンリーな話にしてしまった… まぁ、その為の第00話といいますか…えっとぉ… 第01話からが本編、第00話はただの説明、といった感じで読み進めていただければと思います。 ちなみにオイラはフシギダネ~バナが大好きですので、次回からそんな感じです。 物語の整合性が甘かったりもしますが、大目に見て下さいorz 一応イメージは、なんだろ。ラノベ感覚で萌えもんを読む、といった感じなのかな…。 いやはや、初っ端から長くてごめんなさいorz 次回も宜しければ、読んで頂けたら幸いです。 作者:てんくるり